手のひら冷却
[2024.06.01]
暑い季節になると気をつけたいのが熱中症です。
熱中症の予防のひとつに「手のひら冷却」という方法があります。
手のひらや足の裏、頬には動静脈吻合(AVA)と呼ばれる動脈と静脈を結ぶ血管の部位があり、ここを流れる血液の量は毛細血管を流れる血液の約1万倍あるそうです。AVAは通常は閉じていますが、体温が上がると開通して一度に多くの血液を流し、手のひらから熱を逃がし、冷やされた血液を体に戻して体温を下げるという仕組みになっています。「手のひら冷却」は、このAVAを効果的に冷やすことによって血液の温度を下げ、その血液が全身を循環することによって深部体温を下げようとするものです。
「手のひら冷却」の方法(例)
- 洗面器に10~15℃程度の水を張り、5~10分間両手をつける
- 外出先では新型コロナウイルス感染症対策で推奨されている15秒間の手洗いをこまめに行う
- 冷たいペットボトルを握る
- 保冷剤を使用する場合は、ハンカチなどで巻いて温度を調節する
手のひらを冷やす際には、氷など10℃を下回る冷たすぎるものではなく、15℃程度のものを使うと効果的であると言われています。冷たすぎると血管が逆に収縮してしまうため、熱を発散しにくくなるというデメリットがあるからです。
今年の夏は昨年同様、高温となる見込みとのこと。熱中症予防のひとつとして「手のひら冷却」をぜひご活用ください。
看護師 和久津