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脂質異常症

当院では脂質異常症も含めた生活習慣病全般の診療を行っています。

健診や血液検査で

「コレステロールが高値です」

「LDL(悪玉)コレステロールが高値です」

「中性脂肪が高値です」

「HDL(善玉)コレステロールが低値です」

などと言われた方はお気軽にご相談ください。

脂質異常症とは

脂質異常症とは、血液中の脂質が高値または低値になった状態であり、動脈硬化の危険因子です。脂質異常症があると、動脈硬化が進みやすく、心筋梗塞、脳卒中などの心血管疾患を起こしやすくなるため、治療が必要です。

血液中の脂質(血清脂質)には、総コレステロール、LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)および中性脂肪(トリグリセライド)があり、以下の場合に脂質異常症と診断されます。

<脂質異常症の診断基準(空腹時採血)>

(日本動脈硬化学会 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版)

LDLコレステロール 140 mg/dl以上 高LDLコレステロール血症
120~139 mg/dl 境界域高LDLコレステロール血症
HDLコレステロール 40 mg/dl未満 低HDLコレステロール血症
中性脂肪
(トリグリセライド)
150 mg/dl以上 高トリグリセライド血症
Non-HDLコレステロール* 170 mg/dl以上 高non-HDLコレステロール血症
150~169 mg/dl 境界域高non-HDLコレステロール血症

*Non-HDLコレステロールは(総コレステロール ― HDLコレステロール)で求めます。

 

つまりLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪は高い場合に、一方でHDL(善玉)コレステロールは低い場合に問題となります。以前は「高脂血症」と呼ばれていましたが、HDLコレステロールは低い場合に問題になることから、現在は「脂質異常症」と呼ばれるようになりました。

脂質異常症の治療

脂質異常症の治療も基本は生活習慣の調整です。特に高LDLコレステロール血症では、動物性コレステロール(飽和脂肪酸)の摂取に注意します。飽和脂肪酸は肉の脂身(バラ肉、ひき肉、鶏肉の皮も含む)、バターやラード、生クリーム、鶏卵の黄身、魚卵、乳製品などに多く含まれます。パームヤシやカカオの油脂、インスタントラーメンなど加工食品にも含まれています。一般的に、冷蔵庫の中で固まっている油脂は、飽和脂肪酸の多い油脂であることが多く、サラダ油や魚油のような液体の油は、不飽和脂肪酸の多い油脂であることが多いです。まずは肉や油もの・揚げ物、卵、乳製品の摂り過ぎに注意し、野菜やきのこ・海藻などで食物繊維をしっかり摂取し、また魚や豆腐などの大豆食品を積極的に摂取するようにしてみましょう。乳製品やドレッシングなどは低脂肪の表示のあるものを選ぶこともよいでしょう。

中性脂肪(トリグリセライド)高値の要因としては、エネルギーの摂り過ぎ、特に甘いものやお酒・油もの・糖質の摂り過ぎが挙げられます。砂糖の入ったソフトドリンクを飲む習慣も原因となります。果物も摂り過ぎてしまうと中性脂肪が上昇します。これらの食生活に注意しながら、運動や減量を行うことで、中性脂肪を下げることができます。また背の青い魚に多く含まれるn-3系(ω-3系)多価不飽和脂肪酸には、中性脂肪を下げる働きがあります。

HDLコレステロールの低値は中性脂肪の高値と連動することが多く、その要因は肥満や喫煙、運動不足です。運動や減量・禁煙によりHDLコレステロールの上昇が見込まれます。

肉の脂身や動物脂(牛脂、ラード、バター)を控え、大豆、魚、野菜、海藻、きのこ、果物、未精製穀類を取り合わせて食べる、いわゆる「和食(日本食)」は、総エネルギーや不飽和脂肪酸摂取を抑え、食物繊維や多価不飽和脂肪酸、ビタミン、ミネラルを多く含むことから、脂質異常症、糖尿病、高血圧の予防に好ましい食事と考えられ、動脈硬化性疾患の予防に推奨されています。ただし、和食(日本食)では、しばしば塩分の摂取が過剰になりやすいことから、減塩を心掛けましょう。

こうした生活習慣の調整を行っても、脂質の値が改善しない場合には、お薬の服用を考慮します。脂質異常症の薬剤には、LDLコレステロールの合成を抑えるもの、LDLコレステロールの吸収を抑えるもの、また中性脂肪を低下させるものなどがあります。

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