高尿酸血症・痛風の食事療法
以前2022年6月4日の「ビアガーデン」というブログで、高尿酸血症、痛風、痛風腎について看護師より説明がありました。今回はその高尿酸血症の食事療法について、トピックも交えてお伝えします。
栄養士が高尿酸血症の患者様にお会いした時には、
- お酒の摂取量確認 加糖清涼飲料水や果汁ジュースの摂取量確認
- 肥満の方は、体重コントロール
- プリン体の摂取量と質の確認
を考えていきます。でも、まずは、食事全体の量やバランスを整えることが大事です。
①アルコールは体内で作られる尿酸の量を多くすると同時に尿酸の排泄も抑制してしまいます。「ビールはダメだけれど焼酎なら飲んでもいいんですよね」と言う方もいますが、体内に取り込まれるアルコール量が問題です。
「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版(2018年)」では、1日当たりのアルコール摂取量は、ビールなら500ml以下、日本酒では1合以下、ウイスキー60ml以下、焼酎(25%)100ml以下が尿酸値に影響を与えない量だと勧めています。
同じアルコール量であればビールが最も尿酸値を上げやすいのでプリン体カットのビールを利用するのも良いでしょう。ビールは原料として麦芽や酵母を多く含み、そのプリン体が吸収されやすく尿酸値上昇に貢献してしまいます。
加糖清涼飲料水や果汁ジュースには糖分が添加されており、この添加糖が体内で尿酸産生を増加させます。肥満の原因にもなるので、控えたほうが良いでしょう。
②肥満の方は減量をすると尿酸値も改善することが多いです。1日3食、バランスよく、よく噛んでゆっくり食べることが肥満の解消につながります。
③プリン体の摂取量に関し、レバーやあんこう肝等プリン体を多く含む食品は避け、主菜料理は、1食に1品とし、たん白質の過剰摂取がないよう気を付けましょう。
最近は、プリン体にも質の違いがあることがわかってきました。大豆はプリン体含量が少ない食品ですが、プリン体の中でもヒポキサンチンという尿酸を上昇させやすいものを多く含んでいます。尿酸値が高めの場合、納豆は身体に良いと毎日食べたりしていると、更に尿酸値が上昇する場合があります。そういう場合は、納豆を食べる回数を減らしてみましょう。
野菜や海藻を多く食べ、尿をアルカリ傾向にすると、尿酸の排泄が進みます。
主食、主菜1品、副菜2品のパターンでの食事がお勧めです。
管理栄養士/日本糖尿病療養指導士 木村