帯状疱疹ワクチン
こんにちは。今年も3月に入りましたね。
時折暖かい日も増えましたが、寒暖差で体調を崩しやすい時期です。インフルエンザウイルスやコロナウイルス等の様々な感染症もまだ流行下で、感染予防が欠かせない時期が続いています。
しっかりと食事、睡眠をとり心身を休めることは体調管理のために何より大切ですが、病気の発症またはその重症化の予防という点で、予防接種というのも1つの方法です。
「毒性を弱めた病原体(ウイルスや細菌)や毒素を、前もって投与しておくことにより、その病気に罹りにくくすることを予防接種といい、投与するものをワクチン」といいます。
本日はインフルエンザ、コロナワクチン以外に当院で通年接種可能なワクチンの1つである帯状疱疹ワクチンについてお伝えします。
- 帯状疱疹とは?
帯状疱疹とは水ぼうそうと同じウイルスで起こる皮膚の病気で、痛みを伴う赤い発疹と水ぶくれが多数集まって体の左右どちらかの神経に沿って帯状に生じます。水ぼうそうにかかった後に体に潜伏していたウイルスが疲労や加齢、ストレス等で免疫機能が低下することにより活性化し、神経を移動して皮膚に炎症を起こすことが原因です。発症した場合は抗ウイルス薬や鎮痛剤によって治療していきます。
また皮膚症状がおさまった後も、神経が損傷されることで「刺すような痛み」「焼けるような痛み」と表現されるような「帯状疱疹後神経痛(PHN)」というものが後遺症として残ることがあります。
- 2種類のワクチン
帯状疱疹ワクチンの接種は任意で、50歳以上の方であれば接種可能です。帯状疱疹ワクチンは以下の2種類があります。
・乾燥組換え帯状疱疹ワクチン(シングリックス):毒性や感染力を失った(生きていない)細菌・ウイルスを用いた不活化ワクチン
・乾燥弱毒生水痘ワクチン(ビケン):毒性や病原性を低下させた(生きている)細菌・ウイルスをそのままワクチンとして用いた生ワクチン
それぞれの特徴は以下の通りです。
乾燥組換え帯状疱疹ワクチン |
乾燥弱毒生水痘ワクチン |
不活化ワクチン |
生ワクチン |
発症予防効果は90~95%以上で、持続効果は9年以上 |
発症予防効果は50~60%程度で、持続効果は5~8年程度 |
筋肉注射/接種回数は2回 |
皮下注射/接種回数は1回 |
副反応:注射部位の痛みや腫れ、発赤、筋肉痛、全身倦怠感、悪寒、発熱など |
副反応:注射部位の痛み、腫れ、発赤 |
助成:1回につき10,000円、2回まで※ |
助成:4,000円※ |
※中野区では、接種日当日に中野区に住民登録がある満50歳以上の方を対象(過去に帯状疱疹予防接種費用助成制度を受けている方は除く)に上記のように助成が出ます。
高価ではありますが予防効果の高い、乾燥組み換え帯状疱疹ワクチン(シングリックス)は2回の接種が必要となります。1回目の接種から2か月の間隔をおいて(長くても6か月後までに)2回目の接種を行います。
- 接種後30分程度は、アナフィラキシーなどの重篤な副反応の出現がないかの体調観察のためクリニック内で安静にご待機下さい。
- 接種当日は激しい運動や大量の飲酒は避けて下さい。
- 当日の入浴は問題ありません。
予防接種ご希望の方は、お気軽にご相談下さい。
【引用・参考文献】