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明日はもっといい仕事をしよう

[2023.06.21]

「諸君、明日はもっといい仕事をしよう」

 

いい言葉ですね。スペイン、バルセロナの著名な建築家 アントニ・ガウディの言葉だそうです。

先日、テレビで「サグラダ・ファミリア」教会についての特集を放映していました。サグラダ・ファミリアはバルセロナの世界遺産の一つで、ガウディが設計した最後で最大の建築物です。1882年に建築を始めてから、140年以上経った今でも「建築中」でまだ完成していません。

2026年にいよいよ完成となる計画でしたが、コロナ禍によるロックダウンで建築は中断。また観光客の減少により工事資金難にも見舞われます。それでも、建築チームは6本ある未完成の塔のうち、1本の塔「聖母マリアの塔」の建築を進めることを決定します。

そして昨年12月、マリアの塔は完成し、点灯式が行われました。マリアの塔の先端には星の形をしたオブジェが取り付けられ、夜空に白く明るく輝くその姿は、コロナ禍で苦しむバルセロナの人々、そして世界中の人々を勇気づけてくれました。

私も以前学会でバルセロナを訪れた際に、街のあちこちに散りばめられたガウディの建築を見て歩きました。黄金に輝く内装がまぶしいくらいに美しいグエル邸や、広場からの眺めがおとぎの国のように色彩豊かなグエル公園など、ガウディの独創性には何度見ても引き込まれてしまいます。

それでも、やはりバルセロナの街の中心に高く聳え立つサグラダ・ファミリアの堂々たる威容には本当に圧倒されます。外壁のさまざまな装飾もすごいですが、教会の中に一歩足を踏み入れた時の感動は忘れられません。ステンドグラスを通して注ぎ込まれる自然光に彩られた、大木に囲まれた深い森の中にいるような教会内部は、自然と建築物を融合させたガウディの精神が体現されています。とても神聖で神々しく、けれどもとても静かで心が安らぐ空間でした。

ガウディはサグラダ・ファミリアの完成を自分の目で見ることはできませんでしたが、自身のすべてを注いだこの教会の建築工事を監督しながら一日の終わりに必ず口にした言葉が「諸君、明日はもっといい仕事をしよう」でした。

今日よりも明日が少しでもよくなるように。一歩でも、半歩でも先に進めるように。

140年以上経った今もなお、完成に向けて工事が続けられているのは、このガウディの決してあきらめない姿勢がしっかりと継承されているのだと思います。

我々も、仕事でも仕事でないことでも、上手くいった時もいかなかった時も、今日で満足したり諦めたりすることなく、明日は今日よりもっとよくしようという気持ちを忘れずにしたいですね。

 

院長

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