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お肌の乾燥

[2024.01.20]

暖冬とはいえ、寒い日が続いていますね。

この季節は気温だけではなく、湿度もお肌に影響を与えています。冬になるとよく耳にする「乾燥注意報」は、東京都では最小湿度(1日で最も乾燥したとき)が25%、木材の乾燥度を示す実効湿度が50%より低くなると発令されるようです。

一般的に、肌のための適正湿度(相対湿度)は50〜60%だそうです。そうするとこの季節は肌にとってはとても過酷な環境ということになります。「顔のつっぱり感」は乾燥肌の危険信号ですね‼

それでは湿度が低いと肌にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

肌の一番外側にあるのは角質層で、この角質層には「バリア機能」があります。バリア機能には、①水分を保ちつつ、蒸散を防ぐ ②外部刺激から守る という役割があります。

*左の図:「バリア機能が良好」 右の図:「バリア機能が低下している」

湿度が低く空気が乾燥していると、この「バリア機能」を低下させます(右図)。つまり、肌表面の角質層の乾燥が内部の水分を外部に逃げやすくさせてしまい、肌の乾燥に拍車をかけます。

 

体の中でも乾燥しやすい部位は、皮脂腺が少ない頬や口・目の周り、肘や膝・脛(すね)などです。最も乾燥しやすいのは皮脂腺がない踵(かかと)です。歩いた時に痛みを感じ、よくみてみると踵が「パックリ割れていた」という経験はないでしょうか?

このような肌表面の乾燥から起こる悪循環を断つためには、スキンケアが有効です。

スキンケアのポイントを2つ紹介します。

  • 清潔:毎日の入浴をお勧めします。浴槽に浸かることで肌表面の角質層が潤い、柔らかくなります。浴槽に浸かれないときはシャワー浴でもよいでしょう。泡状の石鹸で優しく肌の汚れを洗い流してください(強く擦りすぎないことで摩擦刺激と皮脂の取りすぎを防ぎます)。
  • 保湿:1日1〜2回保湿クリームを全身に塗りましょう。皮脂腺が少ない部位や踵は特に念入りに‼保湿クリームの量はたっぷり目で、塗ったところが「ピカッ」と光る程度を目安にしてください。入浴後は保湿効果が高く、肌から水分が逃げる前に塗ることがコツです。目安としては入浴後5分以内といわれています。が、脱衣室が寒くて保湿クリームを塗るより早く服を着たい!と、塗るタイミングを逃している方はいませんか?そのような方へのお勧めは、浴室に保湿クリームを準備しておき、温かい浴室内で身体を洗った後、肌が濡れている状態で塗る方法です。肌表面の水分とクリームの油分が混ざって肌に被膜をつくってくれます。この場合、足につけた保湿クリームで滑って転ばないように注意して下さいね。

 

保湿クリームには、角質を柔らかくする「尿素入りクリーム」や油分の多い「ワセリン」などがあり、市販されています。お肌の乾燥具合に応じて保湿クリームを選択するとよいでしょう。

 

血糖が高い方や自己免疫力が落ちている方は、ちょっとした肌トラブルから感染に至るケースは珍しくありません。湿度が低いこの季節を、日々のスキンケアでトラブルなく快適に過ごしましょう。

 

参考文献

  1. https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/45_kansouhada/       
  2. https://www.uruorich.jp/uruolabo/post151113/         
  3. 「スキンケアボード 健康な皮膚を保つために」マルホ株式会社
  4. 「東京都の警報・注意報発表基準一覧表」気象庁

 看護師/日本糖尿病療養指導士/フットケア指導士 嶋貫 久美子

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