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ブラック・ジャック

[2022.04.27]

小学生の頃、叔父の家で手塚治虫さんの「ブラック・ジャック」を見つけてから、「ブラック・ジャック」は何度も繰り返して読んだ大好きなマンガです。

その中でも、特に記憶に残っているのが、天才外科医ブラック・ジャックが手術中に恩師の本間先生から言われる一言です。

 

「これだけはきみもキモにめいじておきたまえ 医者は人をなおすんじゃない 人をなおす手伝いをするだけだ なおすのは…本人なんだ 本人の気力なんだぞ!」(人生という名のSLより)

 

医師は、手術や薬で患者さんを「治す」のではなく、患者さんが治る手伝いをする存在であり、最も大事なのは患者さん自身が「治ろう」、「よくなろう」と思う気持ちだということではないでしょうか。

ブラック・ジャックは外科医の話ですが、このことは内科医の私たちにも当てはまる言葉だと思います。特に糖尿病の治療では、患者さん自身による食事・運動などの生活習慣の調整が最も大切であり、お薬はそれをサポートする存在です。そしてわれわれ医師は、患者さんが糖尿病と上手にお付き合いできるようにサポートします。

しかし医師は患者さん一人一人に24時間付き添うことはできず、毎日の生活習慣の調整は最終的には患者さんご自身の自己管理になります。われわれ医師は、患者さんが「よくなろう」「よくしよう」という前向きな気持ちになって自分の意思で生活を調整し、糖尿病とうまく向き合えるようサポートする、そんな立場であると思っています。

そういう意味も込めて、私はブラック・ジャックに出てくるこの言葉を大切にしています。

 

院長 税所

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