メニュー

糖尿病と骨粗しょう症

[2025.02.14]

こんにちは 管理栄養士の木村です。 

昨年10月、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書が厚生労働省のホームページで公開されました。

食事摂取基準は、バランスの取れた食事をするための目安として活用され、5年に1回、改訂されています。その中に「疾患等とエネルギー・栄養素との関連」という項目があります。2020年版までは、高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病の4項目が記載されていましたが、今回、骨粗しょう症が追加されました。つまり骨粗しょう症の発症予防や重症化予防は、生活のQOL低下予防につながることから、元気に暮らしていくために重要と考えられています。

そこで今回は糖尿病と骨粗しょう症の関係についてお知らせしたいと思います。

当院ホームページの「骨粗鬆症」もご覧ください。

 

骨粗しょう症は、骨密度が低下し、骨がもろくなる病気です。

骨強度の30%は骨質、70%は骨量によって規定されていると考えられています。

骨質は、骨の構造が良い構造かどうか、材料に良い材質が使われているかどうかで決まります。骨の構造やそれに使用される材料が劣化していたり、骨密度が減って強度が低下したりすると、骨折しやすい状態、いわゆる骨粗しょう症になります。

骨質は、材質特性、微細構造、骨代謝マーカーなど、それぞれ評価方法があり、骨量は骨密度で評価されます。

 

糖尿病の方の骨折では、骨の構造を支える骨質の劣化が特徴的です。

これには高血糖による酸化ストレスやインスリン抵抗性が悪影響を与えていると言われています。

また、糖尿病の合併症である神経障害や視力低下は、転倒のリスクを高め、骨折につながりやすくなります。では、どのように予防していけば良いでしょうか?

骨粗しょう症の予防

血糖管理

・血糖値を良好に保つことが、骨粗しょう症の予防に最も重要です。

食事療法

たんぱく質を十分量摂取し、バランスの取れた食事を心がけましょう。

・カルシウムを積極的に摂取しましょう(牛乳、乳製品、小魚、海藻類、緑黄色野菜など)。

・ビタミンD(魚、きのこ類、卵黄など)、ビタミンK(納豆、緑の葉物野菜)を摂取しましょう。

運動療法

・適度な運動は、骨密度を高め、骨折のリスクを減らします。

生活習慣の改善

禁煙しましょう。

・過度の飲酒はやめましょう。

・日光浴をしましょう。(1日15分程度)

定期的な検査

・定期的に骨密度検査を受け、骨の状態を確認しましょう。

 

栄養相談では、骨粗しょう症予防の食事指導にも力を入れています。各個人にあった食品選択が必要な場合があります。また、当院では骨密度の検査も可能です。どうぞ、ご利用ください。

 

管理栄養士/日本糖尿病療養指導士 木村

 

参考資料:

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書    

糖尿病情報センター(国立国際医療研究センター)  

 

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME