甲状腺の病気
当院ではバセドウ病、橋本病など甲状腺疾患の診断・治療も行っています。
甲状腺ホルモンとは
甲状腺は首の正面付け根のあたりにある、蝶ネクタイのような形をした小さな臓器です。正常ではほとんど外から触れてもわかりません。
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは、体の基礎代謝を調節するホルモンです。したがって、甲状腺ホルモンが過剰(甲状腺機能亢進)になると、基礎代謝が亢進した状態になり、ドキドキする(動悸)、やたらと汗をかく(発汗)、暑がりになる、手が震える(手指振戦)、食べているのに痩せる(体重減少)などの症状が生じます。運動していないのに「常に運動しているような状態」と考えると分かりやすいと思います。
一方、甲状腺ホルモンが不足(甲状腺機能低下)すると、基礎代謝が低下した状態となり、無気力になる、疲れやすい(易疲労感)、むくみ、寒がり、体重増加、便秘などが起こります。
また、甲状腺疾患は女性に多く、不妊や生理不順の原因にもなります。
甲状腺機能亢進症
症状
- 甲状腺の腫大(甲状腺腫)
- 動悸(頻脈)
- 息切れ
- 発汗
- 体重減少
- 手指振戦
- 周期性四肢麻痺
- 眼球突出(バセドウ病)
甲状腺機能亢進症の代表的な疾患はバセドウ病や無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎です。
バセドウ病と診断された場合、治療には薬物療法、アイソトープ治療(131I内用療法)および手術療法(甲状腺亜全摘)があります。それぞれの治療法には長所と短所があり、患者様と相談の上、治療法を決定します。
甲状腺機能低下症
症状
- 甲状腺腫大(甲状腺腫)
- 無気力
- 易疲労感
- 浮腫(むくみ)
- 寒がり
- 体重増加
- 動作緩慢
- 記銘力低下
- うつ状態
- 便秘
- 脱毛
- 皮膚乾燥
- 嗄声(声のかすれ)
- 血中コレステロール高値(甲状腺機能が低下すると血中コレステロールが高値になります)
甲状腺機能低下症の代表的な疾患は橋本病(慢性甲状腺炎)です。
橋本病と診断された場合、甲状腺ホルモンの不足をお薬で補います。